atoiuma’s blog

人生あっという間。マイペースにおもしろく。

スティーブ・ジョブズの話をしよう

久しぶりに読書感想以外の投稿を。

 

本日10月5日は、ジョブズが亡くなった日だ(日本時間だと6日だけど)。7年前、彼はすい臓がんでこの世を去った。

 

当時の私は仕事でも恋愛でもボコボコになり、もうダメだと家で力尽きていた。ご飯も美味しく感じないし、動く気力もなく、ただ寝転がって時間を過ごしていた。

 

ジョブズが亡くなったというニュースを見ても、へー、くらいにしか思わなかったが、まるでロックスターのような報道に、少し興味が湧いた。当時からアップルユーザーだったが、それは自分が好きなアーティストや著名人がみんなマックを使っていたために無条件でコピーしただけで、ジョブズがどんな人間かなんて全く知らなかった。

 

話題になっていたスタンフォード大学の卒業式のスピーチを見た。うわああああって思った。なんだこの人、めっちゃいいこと言うなあ!ステイハングリー、ステイフーリッシュ!(正確にはこの言葉はジョブズが作ったわけでないけれど)。

www.youtube.com

 

ジョブズが亡くなるとすぐに、彼の顔が表紙である伝記が発売された。ジョブズに興味を持った私はもちろん購入し、読んだ。

 

とにかく面白くて、笑いながら読んだ。なんだこいつは!めちゃくちゃじゃないか!社会不適合者じゃないか!こんな野郎がアップルを作り、iPodiPhoneを世に出したってのか!気分転換に便器に足を突っ込んで水を流すってなんだよ!「自分は野菜だけしか食わないからシャワーを浴びなくても体は臭くならないんだ!」と謎の理論を振りかざし、しかし実際には大変臭ったため、誰もいない夜中の仕事をさせられるってなんだよ!まるでフィクションであるかのような面白い物語がそこにはあって、当時の消耗した私の精神に栄養をバンバンくれた。

 

ゲラゲラ笑いながら上下巻を読了し、本を閉じたときだ。これは完全に妄想なのだけど、ジョブズから煽られた気がした。

 

「というわけで、これが俺の人生だ。読んでの通り、めちゃくちゃだ。多くの人に迷惑をかけたし、敵も多かった。でも俺はアップルを作り、たくさんの革新を起こして、人間を前進させた。で、お前は何もしないまま勝手に落ち込んでウダウダやってるようだけど、それでいいの?お前にとって生きるってそんなもんなの?」

 

ああ、そうだな。仕事や恋愛でうまく行かずに落ち込んでいたけれど、そんなのは大したことではない。彼の人生に比べれば、私の人生の浮き沈みなどちっぽけすぎて存在しているかどうかも怪しい。よし、やったるぞ!

 

そこからはジョブズの影響を受けてシンプル化しようと、モノにあふれた部屋を一掃した。捨てることはしんどいことだったけれど、慣れてくると、ほとんどのモノって無くてもへっちゃらだし、次の日になれば何を捨てたかすら思い出せないことがわかった(愛しのあの子からもらった大事な手紙を捨てるときは本当に悩んで魂をすり減らしたけれど、翌日にはすっかり忘れていて、数日後にそれを思い出したとき、笑いが止まらなかった。そんなものなのねー)。

 

そして、髭をボーボーに生やしながら旅に出た(髭を剃らなければいけないという社会常識にうんざりしていた。いいじゃん別に!)このときは海外じゃなく国内だけだったけれど、いろんな経験をしたなあ。野宿したりヒッチハイクしたり。大阪に行ったとき、生まれて初めて電車内で声をかけられた。

「おい兄ちゃん、すごい髭やな、麻原彰晃みたいや。あぐらかいたら浮くんとちゃうかー、わはは!」

大阪ってすげえなって思った。

 

あれからもう7年が経ってしまったのか。時の流れは早い。人生あっという間だ。今でも私はアップルユーザーで、この文章もMacBook Airで書いている。スマホiPhoneだ。多分これからもよほどのことがない限り、アップルで貫くと思う。

 

これを書くにあたり久しぶりにスピーチ動画を見たら、熱いものがこみ上げてきた。やっぱいいわジョブズ。自分のやってきたことが未来に繋がると信じること。根性でも運命でもカルマでもなんでもいいから、信じて動くこと。彼の強さは、シンプルと情熱にある。

 

出来れば生きてるうちに一度会いたかったなあ。現実歪曲フィールドを体験したかった。現実を曲げるとかどんだけだよ。

 

R.I.P

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左がベトナムホーチミンで、右が中国の上海で買ったもの。