atoiuma’s blog

人生あっという間。マイペースにおもしろく。

日本は恋人です

前回に引き続き、タイの作家プラープラダー・ユンさんの本を。

 

82冊目。

座右の日本

座右の日本

 

 

今回はエッセイとなっております。

 

著者のプラープダー・ユンさんはタイで生まれ、中学卒業後に渡米。そんで大の親日家というなんともグローバルな経歴の持ち主。日本語こそ話せないけれど、「日本は僕の恋人だ」と主張するほど。

 

そんな彼が日本のあれこれを語っている本。出版は10年以上も前で、スマホじゃなく携帯を使っている表現が出てきて驚いた。そっか、スマホって今やアフリカのマサイ族ですら持っている世界必携アイテムだけど、10年前はガラケーの時代だったんだ。テクノロジーのスピード凄まじいな。自動運転やAIの未来もそう遠くないんだろうな。

 

さて、面白いと思った箇所が2つあったので紹介。

 

まず、日本人の整形について

ぼくが不思議に思うのは、「美」を愛で、化粧にも肌の手入れにも健康にも細心のケアを怠らない日本人が、なぜか外見を変形させる「整形」にはあまり積極的でないことである。 テレビで日本の芸能人が笑うのを見て、その歯のガタガタさに驚いたこともある。ハリウッドスターやタイのスターのように、外見上の完璧性を求めることがない。 p127

 

言われてみるとそうかも面白い。整形だけはブレーキがかかる。でも最近はどうなんでしょうね。世間に疎いのでわからないですが、緩くなってきた気はする。

 

歯並びでいうと、確かに日本人のそれはあまり美しくない。タイの友人にも、なんで日本人の歯並びは汚いの、と聞かれたことがある。うーん、歯列矯正の金額は高いし、日本語ってそこまで口を開けなくても喋れちゃうから口を大きく動かす欧米よりも優先順位が低かったりとか?そういえば何かの記事で、日本人は目を重視し、欧米人は口元を重視するとあったけどそういうこともあるのかも。あるいは単純に文化ですかね。どっかの段階で「歯列矯正しないとダサい」みたいな流れになれば一気に変わる気もする。

 

なお、著者は、そんな日本人のことを批判しているわけではなく、むしろ堂々としておけと主張する。

 

日本人はあまり身体や顔そのものをいじることをしない。つまり、人工的なマスクをかぶらないのである。 p.127

 

マスクなしの呼吸は、きっとすがすがしいに違いない。だから、たとえタイ人に短足だとか歯がガタガタとか外見上の文句を言われようとも、日本人は堂々としていればいいのである。p.128

 

ちなみに、タイって外見で階級がわかるらしいんですよ。外見至上主義。だからタイに行くと、みんな歯は綺麗だし、矯正器具をつけてる人もたくさん見ます。ほんで整形も普通に行われている。私のタイの友人たちも、鼻、目、唇をいじってるのはざら。こないだ来日した人は、「友達に口から顎の距離が短くて変だって言われたから、伸ばす手術をしようと思っているんだ」と言われてオーマイガーと思った。ハードルムッチャ低い。。。韓国では子供の誕生日プレゼントとして整形手術があるくらいポピュラーだそうで。ひょえーっ。

 

次、終電症候群(名前が面白い)について。

 

著者は最初、日本の終電文化があまり好きではなかったと。というのも、日本では深夜12時あたりで電車が終わってしまう。それ、早過ぎないかと。バンコクやニューヨークでは、むしろ深夜から遊び始めることもあったと。日本、なんて息苦しいんだと。

 

しかし歳をとるごとにそのカルチャーもいいなと思えてきたそうで。睡眠時間の確保は大事だし、実は「終電があるんで!」の一言は帰る口実として最強のセリフ。そこに反論するのは難しいので、断るのが苦手な人にとっては良い一面もあると。

 

私自身行ったことがないのでニューヨークはわからないが、バンコクは終電が終わってもタクシーがある。料金は日本に比べてすごく安いので、深夜でも遊べる。言われてみるとこの文化良いなあ。何度もバンコクに足を運んでいるけれど、終電過ぎまで遊んだ経験はゼロだ。次回ちょっとやってみたい。

 

異文化って面白い。やっぱり海外に行き来できる生き方がいいよねー。