atoiuma’s blog

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お金2.0

91冊目。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 株式会社メタップスの佐藤さんの本。

 

佐藤さん面白い。

 

佐藤さんの生い立ちに惹かれた。お金に不自由な家庭に生まれ、お金の有無によって人生の選択肢が大きく左右されるという事実に気づき、憤った。だからこのくそったれなルールを変えてやろうと法曹界を目指したけれど、そこにいくにはお金がかかる。あれれ、お金の有無で人生が左右される社会に憤っていた自分がお金がないとなれない職業に就くっておかしくね?

 

というわけで、彼は起業した。そこからは本を読んだり実際に事業を回したりして知識と経験を増やし、仮設検証を繰り返した。本書はその過程で学んだお金や経済の本質が説明されている。

 

自分の与えられた運命に違和感を持ち、抗って道を切り開くスタイルは、SHOWROOMの前田さんに似ている。

 

経済を知るには、脳みそを知れ。

 

経済を読み解くには、脳科学を勉強するといい。なぜなら経済とは、そして社会とは人間の集合体で、つまりは脳の集まりとも言えるから。

 

そうなると、退屈を苦手とすること、偶有性(わかってることとわかってないことが混じっている状態)を好むこと、快楽主義であることなどなど経済との共通点が見えて来る。

 

また、弱肉強食や食物連鎖を通じてのエネルギー循環など経済と自然には共通点があり、資本主義社会が根付いたのは、それが自然のシステムに近いからだという指摘は面白かった。なるほどなあ。

 

消費経済と資産経済

 

この言葉、初めて聞いた。前者は私たちが普段買い物をしたり飲み食いする際に発生する経済。後者は主にお金でお金を作り出す株式や投資の経済。

 

この割合、何と消費経済が1割、資産経済が9割だという。そんなことになっているのか!お金って元々は価値を交換する便利なアイテムだったのに(昔は貝殻だった)、今ではそれ自体が目的化している。で、現在は猛烈にお金が余っており、みんな投資先を探している状態らしい。

 

資本主義と価値主義

 

世界は今、価値主義の方へ動き出している。資本主義の弱点は、お金以外の価値を拾えなかったことになる。NPOは社会の役に立つ活動をしているが、お金が儲からないのでイマイチな選択肢。稼ぐことが善だよ。

 

それが今、有名大学を卒業した人間たちがそこに入ったりする。今の若者たちは全体的に満たされており物欲が低い。目指すのは裕福ではなく、価値を作り出すこと。そしてそれがフォロワーの数として蓄積される。お金がない人でも、もしフォロワーが1万人いたらそれは立派な価値であり、もしその人が新しく会社を立ち上げると発表した時にお金を集めることは難しいことじゃない。価値はお金にだって変えられる。

 

少子高齢化日本。ポストなんて空いてない、みんな年上の先輩方がどっしりと座っている。経済だって成長していない。若者が戦うには部が悪い。だから、価値を高めよう。好きなことをして、何かに情熱を持って。ここのフィールドは先輩たちが苦手とするジャンルだ。youtubeは随分とお茶の間に浸透して来たし、snsでお金を稼いでる人たちもいる。これからこの流れはもっと加速すると思う。個人の時代。

 

というわけで、すごく面白い本でした。多様な時代になって来たぞ。