久しぶりに岡本太郎に触れて心の垢が落ちた
表参道にある岡本太郎記念館に行ってきた。
太郎はここで84歳で亡くなるまで絵を描き、生活をした。
漢字で書くと平凡だけどアルファベットだとかっこいい。TARO。
こういう小さいところにアートがあるの好き。
たくさんの筆、たくさんのキャンバス。
太郎さん、ピアノまで引くんだからかっこいい。約10年ほど生活をしたパリで習得したらしい。
太郎と敏子さん。太郎もすごいが、敏子さんもぶっ飛んでいる人。太郎の偉大さがよく語られるけれど、それは敏子さんがいてこそ。優秀な秘書であり編集者であり、何より一番のファンだった。イチローも太郎も、支えてくれる人がいたことは大きいんだろうな。
原色を使った太郎らしい作品。エネルギーを感じる。
あまりにも有名な太陽の塔。改めて、変な作品だなあ。でもすごく好きだ。今大阪にある太陽の塔は、中に入ることができるらしい。行ってみたい。
岡本太郎の作品は、顔がテーマな気がする。そしてそれはどれもマンガチック。父親が漫画家だったことと関係があるのだろうか。
外庭にも多くの作品がある。
坐ることを拒否する椅子。アイデアが面白い。もちろん座ってやった。
わあ!2階から太陽の塔が覗いてる!
岡本太郎を知ったのは、彼の生誕100周年イベントだ。そこでたまたま手にした1冊の本から、ファンになった。エネルギーに満ち溢れ、残酷なまでに自分を追い込み、戦い続けた人。その上で、他者には愛があった人。
逆の価値を肯定するスタイルは、当時の私には衝撃的で、とても愉快になった記憶がある。
「歌は下手な方がむしろ面白い!音痴なんて気にするな、思い切り歌えばいいんだ!」
「絵は上手くある必要はない。いや、上手くあってはならない。人の目を気にするな。自分の目も気にしないで思うがままにやればいいんだよ」
そんなこと人生で一度も言われたことないし、美術の成績は散々でいつも授業が憂鬱だった。上手い下手だけで考えていたから、下手な自分は引っ込むしかなかった。それが、下手な方がいいんだ!なんて言われちゃったら、そりゃ楽しくなるよ。
本を読んだ後、いくつか油絵を描いてみた。もちろんやっぱりそれは「下手な」絵だったけれど、描いている私自身はすごく楽しかった。ああ、解放ってこういうことかと思った。
勝ち負け、上手か下手か、成功か失敗か、そういった物差しで私たちは物事を考えがち。それはそれで大事なことだし、実際太郎は上手いわけで。でも、そこに捉われて縮こまっているなら、そんなの捨てろよって。ただありのままにやればいいじゃないかと。ぶつかっていくんだと。
考えすぎて動けなくなったり、新しいことに挑むのが怖くなった時、太郎の言葉は響く。
余計な垢が落ちて、元気になった。また来よう。

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)
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