レンタルなんもしない人のドキュメンタリーを観て
面白い人がいるぞと聞いて、チェックしてみた。
ざっくり説明
なんもしない人さんのプロフィールは、35歳男性。奥さんと1歳半の子供がいる。院卒で出版社を3年ほどやって退職。そのあとは職を転々とし、今のサービスを始めたそうだ。
サービスの内容として、本当に「なんもしない」。会話をちょろっとして、あとはそこにいるだけ。料金は、国分寺駅からかかった交通費と、飲み食いにかかった金額だけ。つまり、利益はない。
単純な疑問として、番組で高校生も質問していたけど、どうやって生計を立てているのだろうか。小さいお子さんもいるんだぜ。
答えは、「貯金を切り崩している」だった。それはそれは。
感想
こういうよくわからない人たちって増えてきた感じがある。
キングコング西野さんの本にあったホームレス小谷さんとか、プロ奢ラレヤーとか。仕組みが全然わかってないけれど、彼らは信用があって、知名度があって、なんか生活できているらしい。
よくわからんけど、面白いなーって思っている。
んで、じゃあ一体どういう人がお客さんとしてこのサービスを使っているのかなんだけど、多種多様なケースが紹介されていた。
- 犬の散歩に同伴してほしい
- 励ましメッセージが欲しい
- 自分が作った料理を食べて欲しい
- カラオケで自分が密かにトレーニングしてきた曲を聴いて欲しい
- 一人で行けないバーに同伴して欲しい
- 一緒にテーマパークで遊んで欲しい
- 旅行の買い出しと荷造りをするので同伴して欲しい
などなど。
こうやって見返してみると、全部友達とか家族で解決できるものだ。ってことは、みんなコミュニケーションや繋がりに飢えていて、意外にみんな不自由しているということが言える。
かと思いきや、そうでもないらしい。ちゃんと家族関係が良好で、友達もたくさんいるパターンもあるらしい。
じゃあなんでこのサービスが必要なんだろう。
放送で何人かの人が言ってたのは、「気を遣わなくていいからラク」とか「第三者だからいい」とか「普段の人間関係では聞けない本音が聞ける」なんてものがあった。
なるほど、確かにいくら仲が良くたって、今後の関係を考えるとできないこともある。いやむしろ、仲がいいからこそダメな時だってある。遠慮が重なって、本音が言えないなんてこともあるだろう。
そんな時に必要なのは、その時だけいてくれる都合のいい他者。特に何をしてくれるわけでもなく、緩くそこにいて、肯定してくれて、話を聞いてくれる存在。なんもしない人さん、癒し系のルックスだしなあ。。。
しかもこれ、お金交通費(と飲み食い代がある時は払う)だけだからね。敷居低い。これとはちょっと違うサービスだけど、代行ってえらいお金かかるからね。レンタルお兄さんするより、レンタルなんもしない人を呼んだ方が良いことも多いでしょう。まあ彼は「なにもしない」んだけど。。。
そう言えば昔、京都のお寺で座禅していた時、定期的に連絡先を全部消す女性に会ったことがある。人との関係が煩わしくなってしまうんだと言っていた。面白い人間の心理。
なんもしない人さんは、「多様な相談に触れると、自分も存在していいんだと思えてラクになる」みたいなことを言っていたけど、それはわかる。私は海外に行くようになってラクになった。日本だけだったら窒息していた。多様さに触れるの大事。
ちょっと前に炎上もしたみたいだ。
本も出しているようだ。

〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。: スペックゼロでお金と仕事と人間関係をめぐって考えたこと
- 作者: レンタルなんもしない人
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2019/05/21
- メディア: 単行本
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一回利用してみても面白いと思う。