atoiuma’s blog

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10年ぶりに歯医者に行ったら、歯にハマった話

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昔から歯のトラブルがとても少なかった。虫歯になった記憶はないし、特に困ったこともないから、周りの人が虫歯だ親知らずだと騒いでいる時も、他人事としてへーと聞いていた。

 

どうやら人によって歯の質があり、虫歯になりやすい人となりにくい人がいるらしい。私は後者なんだなということで、恐ろしい歯医者にはお世話にならずに今生を全うできると思っていた。

 

ところが、予防医学について学んでみると、歯のケアはとても重要らしい。痛みや症状がなくても歯周病は進んでいる可能性があり、放っておくと生活習慣病に関わったりなんだりととても面倒なことになると。

 

歯の大切さは、最近出会った素敵な人生の大先輩たちが皆歯の病に苦戦していることからも分かった。みんな見た目も中身も若く、「老人」なんて言葉で形容するのを躊躇うくらいだ。しかし、歯は入れ歯だったり、差し歯がすぐに抜けたりしている。歯がしっかりしないと、固いものはもちろん食べられないし、そもそも食欲が落ちるらしい。3大欲求の1つである食欲を気持ちよく満たせないというのは、実によろしくない。

 

これはまずい!なるべく楽に人生をやっていきたいので、めんどくさい病気にはなりたくない!というわけで、恐る恐る10年ぶりに歯医者に向かったのだった。

 

10年も行ってないので、そもそもかかり方がわからない。周りの人に聞いてみると、歯医者は基本予約制らしい。ちょっと普通のクリニックとは違うな。怖いな。。。

 

歯医者へのイメージは大きく2つある。ひとつは、美人の歯科衛生士。なんだか知らないが、歯科衛生士は女性で、しかも美人であると私の中で勝手に決まっていた。もうひとつは、子供の悲鳴。どうしても古畑任三郎大地真央の回を思い出してしまう。すごく痛いんだろうな。。。痛くないですよーとか先生は言うけどそれは大体嘘で、引くくらいの激痛なんだろうな。。。憂鬱。

 

周りに歯医者へ行くと宣言したものの、3週間ほど先延ばしした。やっぱり怖いからだ。最初は理解を示してくれていた同僚も、次第に痺れを切らし、「とっとと行ってこい、この臆病者!」と罵るようになってきた。確かに、小さい子供からお年寄りまでみんな歯医者に通っているのだ。私にだって出来るはずだ。もたもたして重い病気になってもしょうがないから、ドカンとその場で電話し、予約を取り付けたのだった。

 

さて、当日。手のひらをびっしょり汗で濡らしながら歯科クリニックへ到着。受付の女性は綺麗だった。しかしその綺麗さが逆に恐怖を募らせた。落ち着かない。そんな時はタイのヤードム(吸い薬。鼻からリフレッシュ)で深呼吸し、不安定なメンタルを整える。前回タイに行った時大量に買い溜めしておいて本当に良かった。酒もタバコも全くやらないが、ヤードムはバッチリ決めていくスタイル。

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名前を呼ばれたので、中に入る。緊張する。案内されるがままに席につく。ざっくりと歯のチェックをされる。その後、レントゲン。どうやら初日は治療というよりも状況把握、そしてこれからの方針決めのようだ。安堵した。

 

実際に私の歯の具合はどうだったかというと、親知らずが一本虫歯になっており、抜くことも考えないといけないらしいが、他は問題なかった。歯周病は初期だかなんだかで、歯茎が腫れていると。でも、まだ若いし全然問題ないとのこと。若いうちに受診するのはナイス!ラッキーです!やった!

 

最後にちょろっとだけ歯石を取ってもらった。びっくりした。取ってもらった箇所の舌触りが全然違うのだ。なんだこれは!みんなこんな口内環境で生活していたのか。ずるいぞ!

 

というわけで、歯医者デビューは予想していたよりもずっと穏やかに終わった。そこからしばらくは毎週通うようになり、下の歯、上の歯と順番に歯石を取っていった。痛くない。痛くないぞ!なーんだ、恐るるに足らずじゃないか!とか思っていると、たまに会心の一撃が入る。歯と歯茎の間、このウィークポイントをこれでもかと攻めてくる歯科医衛生士。なんていやらしいんだ!いや、違う。そういう溝にこそ磨き残しがあって汚れているのだ。

 

歯石を取ってもらうと同時に、毎回歯の磨き方やケアの方法を教わった。これがまた面白くて、歯ブラシの歯磨きだけでは、6割ほどしか汚れが取れないらしい。じゃあどうすればいいかというと、歯間ブラシデンタルフロスという2つのアイテムを使うのだ。これを毎晩使って歯を磨くのだという。なんとまあ。。。めんどくさい。。。でもそうしないと、歯の健康は保てないとのこと。うーん、じゃあやるしかないか。。。

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ところが、やってみるとこれがすごく面白い。最初は歯ブラシで磨き、その後に歯間ブラシを刺す。最後に、デンタルフロスで仕上げ。すると自然と歯の一本一本に意識がいくようになって愛着が湧いてくる。名前をつけたくなるくらいだ。いやそれは嘘だけど、でも自分の歯全体の特徴、歯並びなどを把握していく作業は新鮮だ。そして、もちろんしっかりケアするときれいになって気持ちがいい。素敵な習慣。まさかめんどくさがりな私が毎晩ご機嫌にデンタルケアをする日が来るとは。。。

 

ちゃんとケアをすると、しっかり成果も出る。歯茎が締まってきて、健康的になる。先生も褒めてくれる。口内環境がどんどん改善されていくのは、レベルが上がっていくみたいで楽しい。歯、楽しい!

 

好奇心をガソリンにして生きているので、こういうポジティブな心の動きは見逃さない。もっと知りたいので、本を買った。

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欧米のエリートは歯を大事にすると。その背景には、ルックスを重視するカルチャーがある。歯並びが悪いことは見た目も悪いし、教養がないと判断されるらしい。また、日本人に比べてハグやキスが多い欧米では、口内環境を清潔に保たないとコミュニケーションに問題が生まれるらしい。面白い。さらに面白かったのは、欧米には国民皆保険がなく、歯で大病を患うと大金が吹っ飛ぶので予防医療に努めるということ。なるほど、そういう行動原理なのか。日本はみんな3割負担で済むから、健康意識がそんなに高くない。確かにもしこれが全額負担となったら、お金払いたくないし健康に気を使うだろうな。

 

歯に関心が出てくると、だんだんと矯正も面白そうだなと思えてくる。見た目もそうだし、歯を磨く時にも歯がきれいに並んでいた方が楽。欧米では歯並びが重要視されるので、グローバルパーソンの私としてもやっておいて損はない。金額は高いが、でも歯は一生ものだ。大人でも矯正はできるらしいので、ちょっと考えていきたい。でも、3年とかだったら嫌だな。1週間で終わりにしてほしい。

 

というわけで、すこぶる怖かった歯医者だけど、いざ行ってみたら新しい世界がバーンと開けた。歯、楽しい。勇気を振り絞って本当に良かった。皆さんも、ぜひ行ってみましょう。