atoiuma’s blog

人生あっという間。マイペースにおもしろく。

デスストがやってきた!

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ついに、小島監督の独立後初となる作品「Death Stranding」が発売となった。おめでとうございます!

 

事前にネット予約していたので、まだかまだかと自宅でポーターを待っていた。夜20時過ぎにインターホンが鳴ると玄関までダッシュし、「いやあ、待ってましたよ!ありがとうございます!」と力強く感謝を伝えたが、相手はぽかんとしていた。温度差を感じた。

 

とりあえず5時間ほどプレイして、この文章を書いている。まだエピソード2で乗り物にも乗れない段階での感想。

 

映像が美しい。

さすがPS4、そして小島プロダクション!冒頭のオープニングにまず感動した。広大な自然が美しく映し出され、期待値が爆上がりした。序盤はムービーが多かったのだけど、それはまるで映画を見ているようだった。ブログの頭に貼ったノーマンの顔も本当によく出来ている。すごい。

 

配達ゲームという新ジャンル。

こんなのよく考えたなと。基本的にプレイヤーに取って、移動は退屈なものだ。お使いゲーなんて言葉もあるけど、依頼を受けてあちこち行っては帰る作業は時間も取られるし面白くもない。だから龍が如くでは、一定の歩数を歩くとポイントが入るという仕組みを導入していた。そうすることでだるい移動も利益を得る行動へと変化し、ストレスが減る。乗り物でスピードを上げるという手段もよくある。

 

でもこのゲームでは、その移動こそがゲームの肝になっている。広大なオープンワールドを、ノーマン演じる主人公サムが伝説の配達人として各地に物を運んで行く。伝説の配達人といっても、能力値的にはそこまで特殊じゃない。なので重い荷物を持てば体力を消耗するし、足元が不安定なところに行くと荷物のバランスが乱れて左右に傾いたりする。そこで適切なアクションをしないと転倒してしまう。崖から落ちれば荷物は背中から落ち、バラバラになってしまう。川を渡るときにも体力ゲージがあり、無くなってしまうと流されてしまう。とてもリアルなのだ。だから、地形をスキャンして平地で安定している足元を選んで走って行くことになる。それはまるで、私たちが山登りをするときにどのルートが安全かを確認しながら登っていく作業に近い。

 

また道の途中には、BTというお化けみたいなやつもいて、そいつらにバレると大変なことになるのでひっそり進む必要もある。結構怖い。彼らにバレないように、手で口を覆って呼吸を悟られないようにするボタンまで存在するんだから芸が細かい。

 

そんなこんながあるので、実は結構しんどかったりもする。龍が如くシリーズは一気に10時間以上やるのが私のやり方だけど、デスストはそんなに連続でプレイできない。でも、苦労して荷物を運び切った時の達成感は素晴らしいものがある。お疲れさん!みたいな。その達成感を求めて、今日もやります。

 

繋がるゲームシステム

これもこのゲームのポイント。広大なオープンワールドには、山もあれば崖も川もある。そこをたった一人で突き進むプレイヤー。結構寂しかったりもする。すると、何やら看板が立っている。近づくと、「頑張ってください」と音声が流れる。そう、これはオンラインでつながっている他のプレイヤーからのメッセージなのだ。他にも、崖にハシゴをかけておいてくれたり、BTがいるエリアを看板で事前に知らせておいてくれたり。声を出すアクションもあり、近くにプレイヤーがいる場合は返事が返ってくるのだ。

 

これ、面白い。私たちはそれぞれ孤独にコントローラーを握ってプレイしている。相手の姿は見えない。でも、うっすらと相手を感じることができるのだ。一人だけど一人じゃない。ほんのり繋がった温かさ。小島監督からのメッセージを感じる。

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ストーリーがやっぱり良い。

ネットでプレイ感想をのぞいていると、本編そっちのけで荷物回収してます!なんてのがあるのだけど、私はもっぱらストーリー渇望派。荷物はあくまで手段であって、とにかくストーリーの続きが気になる。登場キャラクターが皆魅力的で、ムービーが待ち遠しい。

 

アメリが美人!

金髪に赤い服。アメリがとても美しい!早く彼女を救い出したい!こんなブログを書いている場合じゃない、早くホログラムではない実物の彼女へ会いに行かねば!

 

まとめ

アメリに会いたい。

デスストまでもう少し!

だいぶお久しぶりな更新。気がつけばもう11月。令和元年も残り2ヶ月、大晦日に美味しいコーラが飲めるように頑張っていこう。

 

さてさて、11月といえば、小島秀夫監督最新作のDeath Strandingが8日金曜日に発売される!めでたい!

www.playstation.com

 

メタルギアソリッドシリーズは今まで全部やってきた。ただ、ストーリーは複雑なので脇に置いといて、アクションゲームとして遊んできたライト層。メタルギアは映画的なゲームでストーリーこそ重要なのに、そこをおざなりにするとは何事か!」と熱烈なファンにはお叱りを受けそうだけど、そればかりはしょうがない。でも、3はちゃんと理解して、泣きましたよ。

 

そんなライト層なので、今回のデスストも、来年になってある程度値段が落ちてきたときに買おうかなと考えていた。

 

でも、ゲームの情報を集めるうちに、考え方が変わってきた。

 

デスストは、「繋がり」を重視した新しいゲームだ。21世紀になってインターネットが普及し、オンラインゲームやSNSによって確かに私たちは繋がることができた。しかし、その繋がりは必ずしも良いものばかりではなく、匿名からの罵詈雑言、嫌がらせなども多数発生している。思想家の東浩紀さんをずっとフォローしていたんだけど、いつのまにか垢が消えていた。ツイッターにはほとほと疲れたらしい。トリエンナーレの件とかいろいろ大変そうだったし、残念だけどしょうがないか。。。

 

そんな時代に、デスストは繋がることの価値を再提案する。オープンワールドの広大な世界。その道中に休憩所や川をつなぐ橋を架けることで、他のプレイヤーが気持ちよく冒険できるような世界が作れるらしい。それらを利用すると、作ってくれたプレイヤーにいいね!が届くとか。まだプレイしていないからわからないけど、自分以外のプレイヤーのことを感じたり考えたりする時間が結構ありそう。それって面白い。この新しいゲーム体験を、他者の言葉で体験するのは嫌だ。自分で味わってみたい。じゃあ発売日に買うしかないじゃないか!

 

また、小島プロダクションの物語も良かった。小島秀夫監督といえば、日本だけじゃなく、世界的に人気があるグローバルな人だ。そんな小島監督コナミを退社し新しい会社を設立しようと資金集めに奔走。ところが、銀行はみんな融資してくれなかったらしい。個人的には驚きで、あんだけ世界中で大ヒットしたシリーズの生みの親なのに、それでもお金って借りられないものなのか。。。すると、たまたまとある銀行の役員の方がメタルギアのファンで、それがきっかけで融資を受けることができたと。オフィスビルにしても同じで、人との繋がりで借りることができたらしい。まさに「繋がり」によって作られたゲーム、それがデススト!この物語、好き。

 

さらに言うなら、そうやって出来たインディーズの組織が、AAA作品を世に放つ面白みもある。これは何としても大ヒットしてほしい!

 

というわけで、すでに予約した。ゲームを予約して買うなんて何年振りだろう。大好きな龍が如くシリーズも予約はしたことないぞ。

 

さて、ポチッと予約したらなんだか興奮してきて、そっからは毎日メタルギアのメインテーマを聞いたり、メタルギア小説や小島監督新著を読んだりしている。

 

www.youtube.com

本当に毎日聞いている。元気になる。

 

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今は亡き伊藤計劃さんの書いたメタルギアソリッド4!小説だとストーリーがしっかりわかりやすく追えていい。個人的に一番グッときたのは、雷電。彼がスネークから受け取る「若さを大事にするんだ。お前なら、まだやり直せる」は響いた。お父さんになることで、家族という居場所と生きていく方向が定まった雷電、ナイス!あとはビッグママのエヴァ、って呼んで」は、とてもセクシーでかっこよかった。

 

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創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち (新潮文庫)

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち (新潮文庫)

 

この本は、昔に出た「ぼくが愛したMEMEたち」を加筆修正し、星野源さんと監督の対談を乗せたもの。懐かしい。今本棚にある本の何割かには買った時のレシートがはさまっているのだけど、それは監督の真似。本書で紹介されている「初秋」は、今でも大事な1冊として本棚にある。スペンサーに影響を受けてランニングを始め、10キロマラソンに出たのもいい思い出。監督と星野源さんに繋がりがあるとは知らなかった。

 

あ、そうそう!新宿マルイANNEX7Fでやっているデスストイベントにも行ってきた!

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ノーマン!

 

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マッツ!

 

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ルーデンス!!

 

11時30分くらいに行ったら、もうたくさんの人がいて、みんなTシャツ買ってた。私も負けじと奮発して、2枚購入。あと1枚買えばよかった。

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そんな感じで、こっちはもう11月8日への準備は万端だ。早く金曜日が来てほしい。とっても楽しみ!

クランボルツ理論の使い方

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前回ちょっとだけ紹介した、クランボルツの計画的偶発理論。本書はその使い方を噛み砕いて説明してくれている本。150ページしかないし、図や大きな文字も多用されているので読み切るの楽チンだけど、個人的にはとても学びになる良い本だった。

 

序盤に自分の過去を振り返るワークがある。子供の頃、中高生の頃、大学生の頃、とその時々に何に熱中し、何が好きだったか、そして何を夢見ていたかを記入していく。

 

そこで私たちは気づく、自分の好みや夢はバンバン変化していくことに。一生不変なんてことはほとんどなくて、だいたい人は更新されていく。マイブームは変化していく。

 

それは悪いことじゃない。変化の分だけ豊かになるからだ。私の場合だと、子供の頃はテレビゲームに夢中だった。おかげで今、最新のゲームをプレイしてもついていくことは容易にできる(それは果たしてメリットなのか?いや、メリットに決まっている!小島秀夫監督の新作、もうちょいで発売ですね!楽しみですね!)。ある時期からは引きこもり脱出に真剣に取り組み、その過程で本を読むことや自分軸で物事を考え、成功体験を積み重ねる方法を習得した。日記を書くこともその時代に始め、それがこのブログに接続されてもいる。旅に熱中したから、今では海外に一人旅することに抵抗はないし、英語もなんとか喋れるし、海外移住をやってみたいなあという新しい夢も生まれている。

 

もう一つ気づくことがあって、それは、好きになるもののきっかけはだいたい偶然に左右されるということ。私の場合だと、テレビのコマーシャルを見た、友達から誘われた、クラスで流行っていた、親から勧められた、人から褒められた、本で情報を得たなどのきっかけが多かった。それってほぼ、偶然によるもの。予期しないものとの出会いによって、新しい世界が開かれる。偶然で私たちは作られている。

 

じゃあどうやって偶然を呼び込むのか。それがクランボルツの計画的偶発理論になります。前にも書いた通り、5つの要素があって(前回の山口周さんの用語とは若干変化がある)、

  1. 好奇心
  2. 持続性
  3. 柔軟性
  4. 楽観性
  5. 冒険心

この5つ。

 

好奇心(面白い!)→冒険(やってみよう!)→楽観(大丈夫さ!)→持続(納得いくまでやろう!)→柔軟(天狗にならない)

 

という流れが、クランボルツの理論。

 

で、本書ではこの理論を使って、売れているお笑い芸人たちを分析している。具体的に名前を出しているのでわかりやすいし、面白い。

 

ざっくりまとめると、売れている芸人たちは、しっかりクランボルツ理論5原則を守っていると。クラスで面白いと言われる人たちは全国にたくさんいて、しかしその多くは普通に大学→就職の道を行く。なので、「えいや!」とお笑い養成所コースの門をたたく時点で冒険心があると。ここでまず1ポイント。

 

そして、「俺らは絶対に売れるんだ!レギュラー番組を絶対に持つんだ!まずは継続だ!」と楽観を持って持続していく。途中で諦めてしまう人も大勢いるので、さらにここで1ポイント。

 

ここら辺になると、そこそこ売れてくることも多い。ここで、好奇心柔軟性を持ってさらに新しい芸に挑戦したり、やったことのない仕事のオファーを受けたりすることで可能性が広がる。天狗になったり仕事の選り好みをしてしまう人たちも多いので(本書ではこの例としてエレキテル連合を取り上げていた。彼女たちはコントだけでやっていきたい!目指すは志村けんだ!と自分の仕事の幅を広げず、謙虚さを忘れたので落ちてしまったと)ここでも1ポイント。

 

そうやって芸が広がってコネクションも増えてくると、だんだんいい仕事のオファーがやってくる。そして、皆が知る大物芸人になるという流れ。

 

「あいつなんておもろない!売れたのは運が良かっただけや!」という批判は、過程を見ていないと。冒険して、楽観を持って持続して、好奇心と柔軟性で自分をさらに高めてようやく手にしたオファーの、オファーだけ見てものを言っていると。なるほどなぁ。

 

さて、芸人の話を例えとして使ったけれど、このメソッドは会社員にも使える。で、そこでの競争はお笑い芸人で名を馳せるよりも楽で、2−3割の人はそこそこ成功できるらしい。つまり、夢はそこそこ叶うと。

 

というわけで、夢は生きているうちにどんどん変化し、そして普通の会社員である以上はそこそこ叶うと。まあ芸能で大成するという夢はやっぱり難しいのだけど。

 

それでも、夢はやっぱり挑むに限る。クランボルツ理論を使ってしっかり全力で夢に挑む。うまくいったらハッピーで、もし自分の才能の無さに気づいたり、どうしても無理だと思ったら、次の夢を探せばいい。だって夢は変化するから。挑んでダメだったらそれは爽やかだ。夢に挑めなかった人は、それが生煮えとなって、いつまでも引きずることになる。時にそれは人の足を引っ張る嫉妬心としてずっと残ってしまう。その状態は色々損なので、しっかり夢を代謝して、スッキリ生きていきましょう。

 

まとめ

とても薄いけれど、内容はわかりやすくシンプルで、実生活に役立つ知識だった。

 

私の課題は、持続にあるなぁ。楽観を持って持続していくことを意識しまっす!

いろいろ試しながら幸運を待つスタイル

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仕事選びのアートとサイエンス (光文社新書)

仕事選びのアートとサイエンス (光文社新書)

 

 

さあさあ、そろそろ就活も終わりが見えてきた。そんな中で読んだ1冊。

 

この本の基本メッセージはとてもシンプル。

 

仕事選びを予定調和させることはできない。

自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない。

 

あとはその理由を説明したりいろんな引用があったりするという内容。

 

結局学者ですら未来を完全に予測することは出来ないし、これからはAIがやって来ていろんな仕事が消えては誕生するし、私たちの寿命は伸びていくけれど企業の寿命は縮んでいく。そんな21世紀では、今まで通りの「難関大学を卒業したら人生安泰!万歳!」なんて勝ちパターンは消え去ると。もっとカオスでぐちゃぐちゃした世界がやってくる。

 

そもそも人生に必勝法なんてのはなくて、たまたま20世紀後半に受験を勝ち抜けばハッピーという構造が出来上がったに過ぎない。人生は基本的に、予定調和にはいかない。何がどう機能するのかわからない。

 

だから、自分をオープンに保ち、どんどん行動量を増やすこと。仕事選びでよく言われる「好きなこと、得意なことで探そう!」なんてのも、やってみないとわからないのだからしょうがない。身軽にあれこれやって自分にしっくり来たものをやっていこうと。

 

なんでもクランボルツさんというスタンフォード大学の教授がいうには、キャリア形成の8割は偶然らしい。その偶然という運要素が強いものをいかに引き寄せるか。

 

コツが5項目あって、

  1. 好奇心
  2. 粘り強さ
  3. 柔軟性
  4. 楽観性
  5. リスクテーク

だと。いろんなことに関心を持ち、仕事がつまらないとすぐに辞めるのではなく本当に向いてないのか粘り強く試し、柔軟性を持って相手の意見やアドバイスに謙虚に耳を傾け、不本意な異動があってもきっと面白いに違いないと楽観し、自分の可能性を広げるためにリスクをとっていくと。著者の山口周さんは、好奇心が一番重要な要素だと書いている。

 

ああ、良いなあクランボルツさん。この理論で私は生きていきたい。好奇心だけなら人並みに持っている。

 

人との繋がりも重要なファクターで、ストロングタイ(強い絆)よりもウィークタイ(弱い絆)が良いきっかけをもたらしてくれるらしい。仲の良い家族や友人だと、重なるところが多いので新鮮な情報が手に入りにくいが、弱い繋がりの場合、ひょんなことから予想外の角度でチャンスが飛び込んでくると。面白いな。

 

強く印象に残ったところがあって、ピアノを自由に弾くためには、まずは制限をかけて限定的なレッスンを積み重ねる必要があると。それと同じように、将来自由に生きていきたいのなら、若いうちに会社に隷属して力を獲得せよと。ああこれはそうかもしれないなと、若くない私は思うのであります。未来の自由のために、現在の不自由に耐える。その発想はなかった。いやしかし、自分にできるかというと、なんとも言えない。とりあえず頭の片隅に置いておこう。

 

今後の方針としては、今まで通り面白い人や物や情報をオープンに追い求めながら、どっかになんとか滑り込んでお給料をいただく生活を。

 

もう一踏ん張りや。

音読が楽しい

 

齋藤 孝の音読破1 坊っちゃん (齋藤孝の音読破 1)

齋藤 孝の音読破1 坊っちゃん (齋藤孝の音読破 1)

 

 

齋藤孝ブームが到来中。

 

「不機嫌な身体とは、エネルギーが循環していない状態だ」とは著者の言葉。

 

確かにその通りだ。今私が面白くないのは、就職がうまくいかないからだ。エネルギーを投入しても返ってくるのは残念な結果のみで、全然前に進めない。歯がゆい。苛立つ。

 

じゃあどうすればいいのだろう。就職とは相手があることだから、自分でコントロールできる領域ではない。そこでジタバタしてもしょうがない。自分でコントロールできる領域で発散させねば。

 

そこで、音読をしてみることにした。

 

この音読破というのは6冊のシリーズになっていて、有名な文豪の作品をひたすらに音読するというシンプルなもの。記念すべき1冊目は、夏目漱石坊っちゃん

 

日本語を音読するなんて学生時代の国語の授業以来だけど、ちょっと面白そうだと思ってやってみた。

 

いやあ、疲れた!4〜5時間かかった!途中休憩を入れながら、2日ほどかけて音読した。

 

最初はなかなか文体に馴染めずうまく入っていけなかったのだけど、しばらくしてみるとだんだん慣れてきて、そのうち歩きながら音読するようになり、登場人物によって声色を変えてみたりした。そしたらまるで役者のような気分になってきて、成り切って読み進めた。とても楽しかった。

 

やってみるとわかるけど、30分も音読をすると結構疲れる。歩きながらだと尚更だ。でも、すごく気持ちがいい疲労だ。達成感もあるし、エネルギーが循環して元気になる。やっぱりうだうだ悩んだり愚痴を言うよりも、身体を使って何かすることが気持ちがいい。

 

肝心のストーリーだけど、坊っちゃんは気持ちがいいほどの正直者でせっかちで、たくさん笑った。最後、赤シャツと野だをやっつけるシーンはカタルシス!夕食のために用意しておいた生卵6つを野だの顔にぶつけて黄色にしてやったとか大変愉快だ。一回やってみたい!

 

巻末には著者の作品解説も付いている。「漢語」と「大和言葉(中国から漢字が入ってくる前に日本人が使っていた言語)」と「欧米の文体」が一体となった近代日本語の全てが入っており、とてもいい日本語の勉強になるそう。小中学生でも読めるように全ての漢字にルビを振っているので、家族でやってみても面白いかも。

 

まとめ

音読楽しい!新しいストレス発散の手段として、しばらく続ける予定。

 

英語しかり音読しかり、私は演劇的な身体が好きなのかもしれない。

 

追記 191012

 

2冊目、音読終了。

齋藤 孝の音読破2 走れメロス (齋藤孝の音読破 2)

齋藤 孝の音読破2 走れメロス (齋藤孝の音読破 2)

 

 

2巻目は、太宰治。私は文学についてほとんど触れないで生きてきたので、新鮮。

 

走れメロスって、とてもシリアスな友情物語だと思っていたのだけど、読んでみると結構ツッコミどころがあって面白かった。わざわざ自分から王様に突っかかっていく必要はないだろうとか、実は結構先送りしてゆったりしてから城に向けて出発していて、そしたらトラブル多発で心が折れそうになるとか、最後に女の子と恋愛の匂いを残して終わりになるとか。音読に向いた教材だと思う。気づいたら随分と熱心にメロスになりきって音読している自分がいたので。

 

他には、駆込み訴え、女生徒、新樹の言葉富嶽百景が収録されている。駆込み訴えと女生徒が音読してて面白かった。音読って真面目にやると憑依していく感じがあって、特に女生徒とか、思春期の女子学生感を味わうことが出来たのはユニークな体験だった。ほんとよくいろんなことを感じて、考えるよね、思春期って。

 

1巻の坊っちゃんとはまた違う魅力があって、この音読破シリーズ面白いなあと。せっかくなので、全6巻、音読破してやろうと思う。

 

 追記 191015

3冊目、読了。

 

今回は、宮沢賢治だ。

 

収録作は、アメニモマケズ、セロ弾きのゴーシュ、毒もみのすきな署長さん、春と修羅、土神ときつね、なめとこ山の熊、永訣の朝、松の針、無声慟哭、そして有名な銀河鉄道の夜

 

音読は、今までの中で一番しづらかった。銀河鉄道の夜は著者曰く、とても音読向き作品らしいのだが、そうかなぁ。坊っちゃん走れメロスの方が個人的には没頭できた。

 

全体的に感じたのは、宮沢賢治って繊細でとても優しい人なんだろうということ。生き物が生き物を食べて生きていくというこの世の理だったり、嫉妬心や人との別れの悲しみなど、テーマがそう感じさせる。有名なアメニモマケズの詩にも、彼の人の良さが出ている。ちなみに、この詩は世に発表する用に作ったのではなく、彼の死後に手帳に記されていたものが発見された形。自分のために書き、ことあるごとに読み返しては生きる姿勢を正していたのかもしれない。

 

一番好きだったのは、毒もみのすきな署長さん。自分の好きを気持ちがいいくらいに貫き通した話。地獄でもやろうっていうんだから気持ちがいい。

 

ささ、半分を終えた。次が楽しみ。

 

追記 191022

4冊目、読了失敗。

齋藤 孝の音読破4 五重塔 (齋藤孝の音読破 4)

齋藤 孝の音読破4 五重塔 (齋藤孝の音読破 4)

 

 

私にこの文体は無理だった。音読するのが苦痛すぎたのでギブアップ。。。趣味でやっているんだからストレスを溜めることもないだろう。ってことで、スキップして5巻へ。

 

 

英語モードは演劇的である

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前回に引き続き、齋藤孝さんの本。

 

学生時代、英語の授業で発音をネイティブっぽくすると揶揄されるというのはよく聞く話で、私の時もそうだった気がする。帰国子女の方はそれが原因でいじめられることもあり、わざと下手な発音で授業を受けることもあるらしい。なんだそれ。

 

一体なぜこんなことが起きるのだろう。嫉妬?でも数学や理科が得意な人でいじめられたという話は聞いたことがない。

 

著者はその理由を「日本人の身体とは異なる身体性に違和感を感じるから」と指摘している。なるほど確かに、英語を話すネイティブは日本人に比べて表情が豊かで身振り手振りも大きい。海外のカルチャーで育った帰国子女の方達にもその傾向が見られるかもしれない。日本語の身体と、英語の身体は異なるものであり、よって違和感を覚えると。

 

では、英語の身体とは何か。

 

それは、演劇的な身体だ。演劇と英語は似ている。どちらも抑揚がしっかりとあり、表現が大きい。また、どちらも最初に突破しなければいけないのは「恥ずかしさ」である。なるほど。

 

なので、まず私たちは英語を学ぶ前に、身体を日本語モードから英語モードへとスイッチしてやる必要がある。そうしないとどうにもぎこちない、堅苦しい英語になってしまうのだ。

 

そこでオススメなのが、ウォーキングイングリッシュ。座って背中を曲げてブツブツ言っていたんじゃダメで、立って歩いて、テンポを作りながら音読していく。すると身体がほぐれて声も大きくなり、恥ずかしさも薄まっていく。役者はそうやって台本を身体に染み込ませるそうだ。英語も同じようにやるといいのでは?という提案。

 

 

専門が身体論である齋藤さんらしい主張だなと。最近自分のやる気スイッチは身体にあることが判明してきた私にとって、身体を使って英語を学ぶという案は魅力的に感じられる。無機質なトーイック学習、しんどい。。。

 

演劇と英語は似ているという指摘は確かにそのような気がする。今でこそ慣れたけれど、最初英語を話し始めた時はとても恥ずかしかった記憶がある。「i have a reservation.」なんて簡単な英文ですらなかなか出てこなくて、声も小さくなっちゃったりして。でも、綺麗な外国人女性と話す機会だったり、あるいはインドで無茶苦茶な対応をされてぶちぎれた時、急におしゃべりになる自分がいて、ああ面白いなと思った。なんだ、話せるじゃないか。恥ずかしがっていただけか、失敗を恐れていただけか。

 

そうやって経験を積んでいくと、だんだんと英語モードの人格が形成されていく。英語モードは日本語モードに比べて、テンションがやや高め。ポジティブなワードもよく使うし、くだらないジョークも結構言う。日本語に比べてエネルギーのやりとりがスムーズに行われるので、元気になることが多い。ああ、貴重なり。

 

そういえば、引きこもりから脱出してしばらく経った時、欧米人の表現力に憧れていた時代がある。いい意味で解放されているなあと。それを習得したくて海外留学を考えたこともあったが、結局行動には移さなかった。でも、英語はちょこちょこやっていて、それを海外旅行で試してみたりして、そしたら外国人との交流も徐々に始まって、英語人格が手に入った。たまに「オープンな人ですね」と言われることがあるが、それは英語を学んだから身についたことかもしれない。

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大人になって、こんなに飛び跳ねたことありますか?私はないです。

 

英語を学ぶということは、語学習得の価値に加えて、演劇的でちょっと上機嫌なモードを手に入れる上でも有効なのではないかと。そういう目線に立ってみると、英語学習が無機質なものじゃなく、生き生きした面白いものに感じられてくる。「How cute!」とかね、自分で言ってて「俺、テンションたっかいな!」と思うけど、やっぱり楽しいですよ。それは確かに、演劇的で、ちょっと盛っていたりするんだけど、それが奨励される雰囲気が英語にはある。だから自然と盛り上がってくる。

 

そうなってくると、興味が湧いてくるのが、3つ目の言語の獲得だ。中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、タイ語インドネシア語ベトナム語。。。なんでもいいけれど、きっと日本語、英語にはないモードの自分が手に入るに違いない。3つあったら人生豊かだろうなあ。

 

言語の数だけモードがあるということになると、方言持っている人はいいなあ。既にもう2つ持ってるやん!めっちゃ羨ましいわ!にいちゃん、ほんまにラッキーやで!

 

就職決まって余裕が生まれたら、3つ目の言語に挑戦してみたい。

就活疲れに効く本

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就活が長期化してくると、学習性無力感に陥ったり、だるくなったり、もうどうでもいいやと匙を投げたくなってくる。そんな時に本棚から取り出した1冊。

 

これ、むちゃくちゃ良かったですわ。読んでて力が湧いてきた。

 

何がいいって、やっぱり著者に共感できるからだろう。

 

著者は東大法学部を卒業し、大学院に進んだエリートだ。しかし、どれだけ論文を書いても世間から評価されず、32歳になるまで定職がなかった。奥さんも子供も2人いる状態で、だ。アパートを借りる時も定職がないから断られたりと苦労したらしい。価値があることだと信じて活動していても、全く世間に認められない状態はやはり精神衛生上良くなく、本人いはく、犯罪一歩手間のメンタリティだったと。

 

いやあ、わかるなあ。もちろん彼はエリートで、私は有象無象なので全く土台が違うのだけど、社会に否定されたり、認められない時期を長く過ごすことはしんどいことだ。私もなるべく楽しんだりユーモアに変換したりしているが、やはり疲れるし腹立つこともある。

 

そんな苦しみを、彼はパッションに変えた。passionの原義はsuffering、つまり苦しみで、そこから情熱は生まれるのだと。「不愉快な刺激」を燃料に変えて、どこまで爆発できるかが重要だと。

 

いつ本屋に行っても、必ず「齋藤孝」の名前を見るくらい、彼は大量の本を出版している。その凄まじい量の著作物がまさに彼の爆発であり、苦労した時代にたっぷり溜まった鬱憤は100歳になるまで尽きることはないらしい。すごいエネルギー源だ!

 

今自分が置かれている状況が状況だけに、内容がどんどん入ってきた。私もパッションを持ってドカンとぶつかっていくぞ!ミッションパッションハイテンション!

 

あれ、ちょっと待て。この本以前に読んだことがあるから、もしかして前にも感想を書いたのではと思って調べてみたら、あった。

hirosweets.hatenablog.com

 

ちょうど1年前に書いていた模様。明らかに内容が今回の記事よりも丁寧でわかりやすい。今回の記事、価値ないな。書く必要なかったわ。

 

まとめ

力が湧いてくる素晴らしい本。個人的に今年ナンバー1になるかもしれない。ぜひ、1年前に書いた記事を読んでみてください。