atoiuma’s blog

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CHAIとゴッチの対談を読んで、CHAIは岡本太郎イズムを持ってると思った

先日、アジカンのボーカルギター後藤正文、通称ゴッチとCHAIの対談が公開された。彼が発行している新聞、THE FUTURE TIMESの一面。

www.thefuturetimes.jp

 

CHAIを知ったのは、なんだったかな。忘れた。どっかで知った。多分YOUTUBEだ。

 

初めて聞いたのがこれ。


CHAI『ほれちゃった』Official Music Video

 

最初聞いた時、香港か中国人のガールズバンドだと思った。そもそもPVの舞台が香港だし、顔も日本人とはちょっと違う。日本人女性はこんなにニコッと笑わない。そんなに表情筋が動かない。笑顔が明るくて、ふわふわしている雰囲気が気に入った。音楽も気持ちがいい。聞いてると自律神経が整う感じがして、かなりの回数聞いた。

 

その後検索をかけて、彼女たちがジャパニーズだと知った。うわー、おもしれー。なんでも「ネオかわいい」というコンセプトを持っているらしい。確かに彼女たちのルックスは、現在の美の基準から判断してかわいいとは言えない。でも、愛嬌があるし、魅力を感じた。そうか、これが次の可愛らしさなんだ!他にも「コンプレックスはアート」なんて主張もしているそうで、かっこいいなこれはと。周りの友人にどんどんレコメンドした。

 

そっからはいろんな曲を聞いた。


CHAI「sayonara complex」


CHAI『ボーイズ・セコ・メン』Official Music Video


CHAI『アイム・ミー』Official Music Video

 

どれもいい曲。顔が可愛くないことを武器にしているところだったり、ちょっと色物感もあるCHAIだけれど、曲がちゃんとかっこいいんだよな。だからファンが増えているんだと思う。また、個人的には彼女たちのPVが大好きで、毎回楽しみにしている。

 

長くなりましたが、そういう認識があった上で、読みました。

 

まず、ゴッチがあんなに笑顔な写真は珍しいぞ。それもCHAIの魅力なんだろうな。この子達、ミュージックステーションに出た時もタモさんにタメ口だったしな。面白い。

 

彼女たちはやはり最初はコンプレックスの塊だったようだ。髪を伸ばして顔を隠したり、四人とも超ネガティブで人生しんどかったと。でもお互いに褒めあって、音楽に出会ってかっ飛ばして道を切り開いたと。

 

かっこいい。すごくかっこいい。面白いもんで、超ネガティブ出身の彼女たちがエネルギッシュで強く見えるんだよね。それはたっぷり持ってるコンプレックスやネガティブの量がそのままエネルギーに変換されてるからだと思う。ちょっと無敵感ある。

 

芸術に対しての向き合い方は色々あるけど、やっぱり挫折やら生きていくことの困難を味わっている時に欲するものだと思う。辛い時、大きなダメージを負った時、もう生きるのがしんどい、そう思った時にそこから引っ張り上げてくれるのが芸術だ。私の引きこもり時代もそうだった。多くの芸術に救われた。

 

岡本太郎が私にとっての最初の処方箋だったのだけど、CHAIは彼の思想に近い。つまり、「逆に振り切って堂々とする」というもの。

 

岡本太郎は「芸術はうまくあってはならない」と主張した。カラオケで自分の歌に酔っている奴なんてろくなもんじゃない、音痴の君よ、恥じるな。むしろ俺は音痴なんだと開き直って愉快に歌え。そうすれば次第に音痴の方が楽しくなってくるよ。音痴仲間が集まって肩を組んでそれぞれに大声で愉快に歌うことこそ最高じゃないか。

 

岡本太郎はいつも逆の価値を認めようとしてきた。それってつまり、「全人類よ、生き生きしろ!」というメッセージだと解釈している。歌が下手なことで塞ぎ込んだり恥ずかしがる。勉強ができない自分を蔑む。顔が醜いと消極的になる。いや、いいんだそれで。歌は下手な方が面白い!勉強ができないならできないで胸を張って生きていけ!美しさなんて薄っぺらい、個性的な顔の方が相手の印象に残るんだ!

 

CHAIだって残念な容姿を持っているかもしれない。だけど、だからなんだ、いやそれが面白いじゃないか!これが次の「かわいい」なんだ!コンプレックスはアートなんだ!そう主張して笑顔でイカした曲を演奏し、歌う。これは最高にクールだし、芸術だと思う。

 

この記事は特に若い人たちが読むべきだわ。私も元気をもらいました。